2章. 違和感の正体
オーディション当日、会場の建物に着くと、屋外に受験者が並ぶ長蛇の列を見つけました。
自身も同様に列に並びます。
しかし、すぐにある違和感に気がつきました。
それは、列の中には女性しか見当たらず、男性が自分一人だけなのです。
「もしかして女性のみのオーディション・・・?」
そう瞬時に考えが巡り、一気に不安になりました。
その場で急遽、オーディションのメールアドレスを確認し、事務局へ電話。
事務局の回答は、自分も含めて複数人の男性から今回のオーディションに応募があったこと、男女共に応募可能の旨を確認することができました。
一旦は安心したもののなぜか胸騒ぎは収まらず、そのまま列に並び直しました。
「他の男性は先に会場に入っていたり、後から遅れて来るのかな」
そんなことを考えながら、自分も会場に入りました。