3章. 全方位から感じる視線
会場に入場後、そこには80人くらいオーディション受験者がいました。
そして閉められる会場の入り口。
そこで再び気が付きました。
会場内に、やはり男性が自分一人しかいないのです。
「嘘やん」
思わず呟いていました。
今回は、三人一組の合同オーディション。
審査本番までは、待機室のワンフロアで順番を待つことに。
自身の待機場所は、まさかのフロア中央。
圧倒的に全方位から感じる視線、そして視線。
人生でここまで同世代の女性に囲まれ、身動きがとれない経験がありませんでした。
待機時間がとにかく落ち着かない・・・。
体育座りになり体を縮め、気配を消すために呼吸を浅くし、ダンスの振り付けに意識を集中しました。