2章. 夜の見知らぬ大男
その時である。
「ニイチャンナニヤッテルノ!?」
片言の日本語で大声で話しかけられたと思った次の瞬間、背後から後頭部を手の平で力強く叩かれた。
「痛った!!!!」
思わず口に出して叫んでしまった。
完全に不意打ちだったこともあり、前のめりになりながらもなんとかスマホは落とさずに済んだ。
それと同時に、ある考えが頭をよぎった。
「もしかすると、これが米国流の挨拶なのか?自分もフレンドリーに返事した方がいいのか?」
そんなことを考えつつ、後頭部を押さえながらも振り返ってみると、そこには見知らぬレゲエ ファッションの大男が立っていた。
「顔は・・・あれ?微塵も笑っていないぞ。真顔やん」
心の中でそう呟いた。