3章. 全力疾走
次の瞬間、男性は無表情で間合いを詰めてきた。
動揺しながら横目で周囲を見ると、数メートル離れた場所には、この男性の仲間だろうか?2人の男性がこちらの様子を注視している。
「これはアカンやつや」。
本能的に、動物的な危険を察知したのか、一瞬で汗が吹き出てきた。
そもそも見知らぬ人にどうして後頭部を叩かれたのか分からないし、目の前の大男は無表情で近づいてくる。
選択肢は「 逃げる一択」。
次の瞬間、自分はバックステップを踏み、斜めの方向に全力で走り出していた。
一瞬、追われそうになったが、目の前の無人のエスカレーターを3段飛ばしで一気に駆け降りる。
そのまま近くの人混みの中に突っ込み、ジグザグに走りながらも目の前のホテルに逃げ込んだ。
5分くらい走っただろうか。
後ろを振り向くと、幸いにも追っ手はいなかった。
「ラスベガスでセルフ映画ワンシーンかよ」なんて苦笑しながら、さっきまで全力で走ったため心臓がとにかく苦しかった。
おわりに
今回は、アメリカ ラスベガスで体験した怖い思い出を紹介した。
今でも、「あの時に瞬時に逃げていなかったら・・・」と考えると、不安な気持ちになる。
教訓:海外で夜の街に一人で歩くのは危ない。
日本に住んでいると、どうしても危機感が薄くなる。
皆さんも、海外渡航の際はお気をつけください。
おわり